イヌの予防処置

  当院では中型犬以上の大きなイヌの診療はできません。

 病院のケージの大きさやスタッフの数からイヌの大きさを制限しています。

 予防接種やフィラリア予防薬の処方はできます。

 事前にご予約ください。

 

イヌの混合ワクチン

 8種とか9種とかの混合ワクチンもありますが、混合種が少ないほど副作用も少ないです。

 当院では6種混合ワクチンです。

 生後2か月と3か月に接種。。1年ごとに追加接種します。

 当院では3年に1度の接種でいいと考えます。

 ペットホテル・ドッグラン・トリミングではワクチンの1年以内接種を義務づけています。

 

狂犬病ワクチン

 法律で決められたワクチンです。

 集合注射でも接種できます。

 都道府県で決められた料金です。

 初回の登録料が3000円。

 注射料金は2950円です。

 注射済み鑑札料金が550円です。

 当院では集合注射と同じ料金です

 

フィラリア予防

 が媒介する病気です。

 心臓に寄生する虫です。

 感染した蚊の口から子虫が血液に入ります。

 血流に乗って心臓に達して三尖弁に絡みつきます。

 成虫の駆除薬もありますが、虫も死んだが犬も死んだという悲惨な結果が待っています。

 予防する以外に方法はありません。

 夏の間、5月から11月まで、毎月1度食べるだけの薬です。

  温暖化によって蚊の活動する時期が長くなって、12月まで予防する方もおられます。

 

イヌの心臓弁膜疾患

犬がをし始めたら、感染症以外では心臓の疾患を疑います。

  

 僧帽弁閉鎖不全症

  心臓の左心房と左心室の間にある弁が僧帽弁です。

  この弁がうまく閉じずに血液が逆流する病気です。

  小型犬に多く発症します。

  聴診器で心音を聴くと雑音が聞こえます。

  ただ、心雑音のないこともありえます。

  

  弁膜の閉鎖がうまくいかない疾患ですので、外科手術しか完治できません。

  犬では弁膜手術が一般的ではないので、薬を処方します。

  劇的に咳が止まることもあれば、再発することもあります。

  一生涯この薬を飲み続けます。

 

    三尖弁閉鎖不全症

   フィラリア虫が心臓に寄生しているときにもが出ます。

    フィラリア虫が三尖弁に絡みついて血液が逆流して心雑音が聴き取れます。

    右心房と右心室の間にあるのが三尖弁です。

    症状は似ていますが、弁膜の位置が全く違います

    上記の心臓病と違って重症のフィラリア症では腹水が溜まることもあります。

   なんとかフィラリア虫を駆除できても、三尖弁の閉鎖不全は元には戻りません。

   

イヌの膝蓋骨脱臼

 小型犬に多いです。

 年齢を問わず発症します。

 最初は片方の足をあげて歩くようになります。

 治ったり再発したりを繰り返すうちに、おかしいと感じて来院されます。

 膝蓋骨の靭帯が切れたり緩んだりすることで起きます。

 若いうちに発症する子は先天的に膝の溝が浅く外れやすいことが原因です。

 完治させるには手術しかありません。

 整形外科の専門病院でしかできない手術です。

 

 

イヌの歯石と歯周病

5歳を過ぎる頃から歯に歯石が付き始めます。

最初は口臭に気づきます。

固くくっついた歯石は歯ブラシでは取れません。

全身麻酔スケーラーという機械で取ります。

高齢犬でも全身麻酔は可能です。

 

ミニチュアダックスフントは歯石が付きやすい犬種です。

小型犬でもオオカミなみの丈夫な歯がそろっています。

歯周病になっても簡単に歯はぐらつきません。

小型犬には歯石が付きやすいです。

放っておくと歯周病菌が気管支や心臓で悪さをします。

 

歯石の原因はドッグフードです。

ペレット状のドライフードの形成にはバインダーが必要です。

パンのグルテンのように原料をくっつかせるためのものです。

お肉だけではペレットフードはできません。

バインダーとして炭水化物を使うのです。

この炭水化物の糖分が歯周病菌の餌になります。

ドライフードは粉を固めたものですから、噛めば噛むほどに粉状の糖分が歯間に貯まります。

理論的にはドッグフードをやめてお肉だけを食べれば歯石はたまりません。

 

高齢犬の前庭疾患

 イヌが高齢になると様々な疾患が現れます。

 その一つに「前庭疾患」があります。

 急に頭を左右どちらかの方向に傾けてクルクル回り始めます。

 眼球振とうで目玉がグルグル左右に回転することもあります。

 身体を真っすぐに保てなくてフラフラすることもります。

 食欲が無くなったり、食べても嘔吐したりすることもあります。

 治療はステロイド薬や点滴が主です。

 しかし、高齢犬を入院点滴することに何の意味があるのでしょう?

 無治療でもそのまま1年以上も生きていることもあります。

 頭を傾けたまま食事を摂ることもできるようになることもあります。

 

イヌの異物摂取

イヌは様々な物を口に入れます。

噛んで飲み込みこともあり、最初から美味しいと思って飲み込むこともあります。

食べたと思ったら大至急、異物が胃の中にあるうちに吐かせることが大事です。

すぐに来院されれば催吐処置できます。

 

今までにあった症例。

スーパーボール・豚骨・軍手・パンツ・靴下・イヤホン(電池入)・電子タバコ・シクラメンの花・・・。

食べた物が胃から腸へ行かないうちに来院ください。

砂利を食べた子は知らないうちに腸まで達していました。

 

バッテリー入りのイヤホンです

シクラメンの花です

 

電子タバコです