ストレス
ネコはストレスに弱い動物です。
健康診断と称して血液検査を行う病院もありますが、押さえつけて注射針を刺すことのストレス。
このストレスで簡単に血糖値があがります。
この検査結果は意味がありません。
血液検査
高齢のネコでは肝臓疾患や腎臓疾患が見つかることもありますが、
若齢で健康なネコの血液検査は無用です。
子ネコに血液検査を強いる意味はありませんし、採血の恐怖心でストレスを与えるだけです。
ワクチン接種の際に血液検査を勧められるようなら、はっきり断りましょう。
先住ネコへの感染を危惧するなら唾液でできるネコ白血病検査で十分です。
先住ネコがいないなら、白血病・エイズ検査は避妊・去勢手術時でも遅くはありません。
血液検査の値はあくまで数値であって健康状態を反映するものではありません。
健康状態に不安がある場合には検査も必要ですが・・・。
ネコの来院
ネコを抱いて来院される方。
非常に危険です。
院内の状況に驚いて手から逃げ出して興奮する子・・・。
駐車場で飛び出して帰って来なかった子・・・。
診療をお断りすることもございます。
ネコは大きめの洗濯ネットに入れてきてください。
中で背伸びができる大きさが必要です。
ネットの中でネコは安心します。
100円ショップで売られている60x60の洗濯ネットです。
網目の大きいものがいいです。網目が細かくて中のネコの様子が見えないネットはダメです。
当院では無料配布しております。
ネットに入れてキャリーで来ることが最良です。
ネットの中でおとなしくなります。
ネットに入れないで、キャリーに入る練習なんてナンセンス。
駐車場でキャリーを落として蓋が開いてネコが飛び出したこともあります。
結局、その子は帰ってきませんでした。
最近、何度も使って汚れたネットで連れてこられる方がいます。
ネットは血が付いていても、ぬるま湯で洗えば簡単に落ちます。
汚いままのネットに入れてくることだけはしないでください。
男の子は原則的に発情はしません。
女の子の発情時にはホルモンのせいで匂いを発します。
その匂いで男の子が発情しているように見えます。
女の子の発情は生後6ヶ月くらいで来ます。
「ニャーニャー」と煩く泣き続けます。
ネコは交尾しないと排卵しません。
そのため、不妊手術をしなでいると発情が止まらずイライラして痩せてきます。
発情中の手術は出血が多くホルモンバランスも崩れます。
出来れば、発情前の不妊手術が望まれます。
ですが、ニャーニャーと煩いので手術をしてほしいという要望もあります。
一旦発情すると持続しますので、待てなくなり、手術することになります。
身体の成長が続いている時の不妊手術はどうかとも思いますが、
発情が来ると言うことで性成熟があると思われます。
可哀そうだから健康な身体にメスを入れたくないという考え。
それも一理あります。
外飼いで妊娠出産を繰り返していればいのですが、室内飼いではホルモンが出続けます。
不妊手術をするしないというそれぞれの意見はあります。
ただ、痩せてくることと、高齢になって乳癌や子宮蓄膿症のリスクが増します。
ネコも風邪をひきます。
ワクチンで予防できます。
一旦、風邪をひくと身体の入ったウイルスが一生身体から出ていきません。
副鼻腔炎や目ヤニなどの後遺症に苦しみます。
治療費を多くかけても治りません。
ワクチン接種の料金は風邪を引いた時の治療のことを考えると安いもんです。
ウイルス性の風邪ですから夏でもひきます。
症状はクシャミ・鼻水・目ヤニです。
子ネコでは目に来る症状で失明することもあります。
鼻詰りで匂いがかげないと食べなくなります。
子ネコは食欲廃絶で死にます。
ワクチンで予防できますが、一旦風邪をひくとしばらくはワクチン接種ができません。
ウイルスの特効薬はありませんが、二次感染の治療で抗生物質を処方します。
たいていは、10日くらいの飲み薬で治ります。
目ヤニが酷いと抗生物質の入った点眼薬も処方します。
最近は抗ウイルス薬の点眼薬もありますが、感染初期に投与しないと意味がありません。
当院でも使ってみましたが、効果はほとんどありませんでした。
ネコは自分の身体を舐めて毛づくろいをします。
ネコの舌はザラザラで内側に向かってトゲトゲしています。
身体を舐めるときに毛も一緒に飲み込んでいます。
それが胃袋に貯まります。
草の葉を食べて嘔吐します。
イネ科の長い葉っぱを食べて嘔吐します。
イネ科の葉の裏側にはトゲトゲがあって胃袋を刺激して嘔吐するようです。
本能的にネコはそのことを知っているんですね。
喧嘩や事故で、縫合や排膿が必要な傷や怪我の治療は、待っている間に終わります。
同時に、歯石の治療や爪切りや毛玉カットも行います。
ご希望次第で、ワクチン接種も血液検査もできます。
目が覚めた時には全てが終わっているので、ストレスもトラウマもありません。
お預かりの縫合手術でも、当院では原則即日退院できます。
ドレインという管を入れて排液をする場合だけ入院します。
当院で行うのは3種混合ワクチンで以下の伝染病を予防します。
猫ウイルス性鼻気管炎
猫カリシウイルス感染症
猫汎白血球減少症
生後2か月・3か月で接種。その後は半年から1年に1度接種します。
上記の2種は猫の風邪を予防するワクチンです。
猫の風邪は感染力が強烈で、瞬く間に同居ネコに感染します。
ウイルスが一旦ネコの身体に入ると一生身体から出ていくことはないのです。
鼻水・クシャミ・目ヤニ・口内炎・結膜炎や角膜炎の症状が出ます。
一旦治癒はしますが、副鼻腔炎や口内炎の後遺症が残ることがあります。
子猫では失明することもあります。
「うちの子は外に出さないから感染することがないからワクチンは要らない」
この考えは危険です。屋内暮らしではいつまでたっても抗体価が上がりません。
抗体を持たない子に感染すると重症化します。
中国の「ゼロコロナ」と同じでいつまで経っても抗体価ゼロが続きます。
過去にワクチン未接種の子が急遽入院治療になったことがあります。
交通事故での骨折治療のための入院となりました。
翌日になってその子がクシャミが始まりました。
時すでに遅し・・・。
入院室にいたこれまた未接種の子に感染しました。
その子は治療の甲斐なく家で亡くなりました。
そのお家にはまだ未接種の子がいて、不幸にもその子にも感染しました。
その子は食欲が廃絶し1か月近くも毎日点滴に通われました。
もちろん、当院にも責任がありますので、点滴治療は全て無料でした。
「汎白血球減少症」は同居ネコに瞬く間に感染して死亡率も高く恐ろしい伝染病です。
ワクチン接種が普及したためでしょうか、最近はほとんど見られなくなりました。
猫の3種混合ワクチンは1年に一度の接種をお勧めします。
猫白血病や猫エイズを予防するワクチンもありますが、
当院では副作用の点から、現在は扱っておりません。
白血病ワクチンを含む5種混合ワクチンは発熱や嘔吐が必発します。
そのせいか、5種混合ワクチンを敬遠する病院が多く製造数も少なく入手困難らしいです。
ネコにワクチンを接種すると、必ず証明書が発行されます。
1ドースに付き1枚のステッカーが添付されています。
そのステッカーを貼付した証明書です。
証明書が発行されないワクチンはありません。
子ネコは特に注射を嫌がります。
子ネコのワクチン注射は午前10時以降に行います。
ネコの白血病はとても感染力の強いものです。
赤ちゃんの時に体内で母親からもらうこともあります。
唾液で感染するので、お母さんに舐められて感染することもあるでしょう。
白血病ワクチンもありますが、上記の理由でお勧めしません。
感染しているかどうかを決定するのに血液検査があります。
しかし、子ネコを押さえつけて採血するのはいけません。
子ネコの唾液検査は今は行っていません。
過去に私たちが保護した子ネコが白血病に感染していたこともありました。
保護時には交通事故で大腿骨を骨折していました。
骨折の手術後1か月で退院となりました。
里親を募集するはずが、白血病感染ネコということで我が家の子になりました。
白血病に感染すると80%が3年以内に亡くなるという悲しい現実があります。
骨折は完治し元気に飛び回っていた3年半を過ぎた頃から食欲が減り始めました。
腎不全の兆候が出始めて点滴を続けました。
しかし、病気は進行するばかりで、その半年後の雪のふる日に天国に召されました。
悲しい病気で、唾液から感染します。
白血病ワクチンの副作用は思ったより重篤で接種するのに躊躇します。
同居ネコ(先住ネコ)がいる場合は新入りネコの検査は必須です。
しかし、全てのネコに白血病・ネコエイズ検査をする必要性はないと考えます。
この二つのウイルス感染症は治療薬がありません。
同居ネコがいないなら、感染する不安もありません。
感染を知らないでいる方がネコにとっても飼い主にとっても幸せかもしれません。
ネコエイズウイルスに感染して発症します。
血液検査で感染がわかります。
発症といっても、これという典型的な症状はありません。
エイズというのは後天的免疫不全になります。
口内炎や下痢が頻発したりします。
我が家にはエイズに感染しても19歳まで生きた子もいます。
外で喧嘩をして感染し、4年後に口内炎と腎不全で13歳で亡くなった子もいます。
歯肉が赤く腫れたり、奥歯の奥の「口峡部」が酷く腫れて隆起して激烈な痛みで食事ができなくなります。
原因はまだ特定されていませんが、ネコに頻発します。
発症すると完治することは稀です。
一因に好酸球性の免疫不全もあるようです。
治療法はステロイド注射で痛みを軽減するしかありません。
ステロイドの副作用で腎不全や糖尿病を併発することもあります。
歯に原因があるとみて、歯を全部抜いてしまう治療を勧めることもあります。
完治することもありますが、その後も口内炎が続く子もいます。
痛み止めのステロイドの副作用を気にしながらの内科治療を続けることが多いです。
最近、希望される場合には当院でも抜歯治療をすることがあります。
一度に全歯の抜歯はできないので2回以上に分けて行います。
最近では、免疫寛容を期待してサプリメントを処方することもございます。
これは確立された療法ではないので、当院では無料でお試しいただいています。
歯石や歯周病がその一因にあるようです。
だからと言って、歯石除去を勧める病院には気を付けましょう。
ネコの歯はイヌと違って小さく、スケーラーを使わないで用手法でもできます。
全身麻酔で高額な治療費を要求する病院があります。
野生のネコ科の動物にこのような歯肉炎や口内炎があるとは思えません。
寄生虫がいない身体では好酸球が暴れだします。
この病気の本当の原因がそこらへんにあるような気もします。
ネコの唇が腫れているという主訴で来院されます。
この疾患にはステロイド薬が処方されます。
ノミに刺されてから発症したり寄生虫の駆虫後に発症したりします。
ノミは外部寄生虫ですから、寄生虫がこの疾患の謎を握っているようです。
未だに確かな原因は藪の中です。
他の免疫疾患と同じように免疫細胞の暴走によっておき得ます。
虫下しで寄生虫を駆除した後から発症した子もいます。
尿路結石のネコの膀胱洗浄で取り出した結石です。
ストロバイトという石の結晶です。
右側のは体重が8キロの子のものです。
これを取り出さないで尿道を開通させるだけではまた再発します。
膀胱洗浄をしないで1週間も入院する必要はないのです。
洗浄で結晶を取り出した後は処方食を続けます。
室内飼いのネコが増えたせいか、血尿を発見することが容易になりました。
男の子の場合以には単なる膀胱炎だけではないことがあります。
上記の下部尿路疾患以外にも膀胱内に結石があることで血尿が止まらないことがあります。
スコティッシュフォールドの男の子には膀胱結石の傾向があるようです。
もちろん、全てのスコティッシュではありません。
この結石は小さくても尿道よりも大きく排尿では出てきません。
血尿を繰り返します。
結石が小さくても膀胱を切開して取り出す手術も検討します。
男・女に関わらず、血尿が止まらない子もいます。
抗生物質で一旦は改善しますが完治しません。
この場合は「尿膜管遺残」ということも考えます。
胎児のときにはオシッコは血管を通してお母さんの身体に入ります。
そのため、膀胱の先が繋がっています。
産道を出て成長とともに、この尿膜管が切れて消失します。
しかし、中にはこの尿膜管がそのまま残って悪さをします。
尿膜管とつながっていれば、膀胱の先に円錐状の空間ができます。
そこに細菌などが住み着いて膀胱炎を繰り返します。
結果、膀胱の中の粘膜面が肥厚してきます。
こうなると、膀胱の一部を切除する手術も考慮します。
「血尿で手術?」と驚かれます。
レントゲンや開腹で尿膜管遺残が確認できれば手術をお勧めします。
女の子の不妊手術の時にこの尿膜管遺残の有無を確認します。
尿膜管がヒモのように長く残っている場合には切除することもあります。
膀胱の先端は球状で丸く映るのですが、この子の膀胱は先端が尖っています。
この三角錐の部分に細菌や結晶が残っています。
ネコにはリンパ腫という病気があります。
ヒトにもありますが、血液の癌のようなものです。
一度かかったら治ることはないようです。
確定診断はなかな難しいようです。
ネコのリンパ腫には抗癌剤が効くようです。
しかし、抗癌剤の副作用は激烈なもので、投与には躊躇します。
抗癌剤でも完治することはなく、「寛解」という状態になります。
寛解期間は短く再発します。
その症状は息苦しさから始まります。
胸のレントゲン検査でわかります。
リンパ腫という腫瘍が胸の中にできます。
そのために胸腔内に水が溜まります。
その水を抜くことで一時的に息苦しさから解放されます。
しかし、また溜まります。
溜まっては抜き、溜まっては抜きを繰り返します。
その他にも消化器にできるリンパ腫もあり身体のあちこちにできるようです。
他院でリンパ腫の診断を受けてがどうしたらいいのかという問い合わせが多く寄せられます。
当院でも抗がん剤の適用が正しいのか否かは判断がつきかねます。
伝染病ですが、コロナウイルスによる伝染性の低い疾患です。
従来、不治の病だったのですが、最近になって治療薬が発見されています。
とても高価な薬です。
30万円以上する薬らしいです。
何種類もの薬を使って、100万円以上かかったという話も聞きます。
完治する病気になりましたが、とても高価で悩みます。
症状は高熱・腹水・消化管異常など様々です。
食道は口と胃を結ぶ器官。
食べた物は真っすぐ胃まで下りていきます。
食道の途中で狭窄部があると、そこから下へは食物が降りません。
食道に膨らみがあれば食物が直接胃に入らないで留まってしまいます。
ネコは違和感を感じて嘔吐します。
食後すぐに吐くこともあれば、しばらくして吐くこともあります。
食べたままのドライフードを吐くことが多いです。
最初の異変は喉のあたりがゼコゼコすることで気が付きます。
レントゲン撮影で食道の輪郭が映ります。
普通は食道の走行はレントゲンで造影剤なしではわかりません。
食後に吐くこと以外は喉のゼコゼコに気が付かなければ普通に元気です。
気が付かないうちに食道の憩室が大きくなって食道拡張から巨大食道に発展します。
喉に上がってくる唾液や胃液が喉から気管ヘ入ると誤嚥します。
誤嚥性肺炎になることもあります。
食器を高く上げた状態で食事をするようにします。
食べた物が胃までストンと落ちるのが狙いです。
(講談社「イラストでみるネコの病気」より引用)
ネコは高齢になると腎臓病(腎不全)が増えます。
もともと水をあまり飲まない動物です。
それが、ガブガブ水を飲んでは大量のオシッコをするようになります。
腎臓機能が落ちてきて、オシッコの臭いもなくなります。
痩せてきます。
血液検査でわかります。
注射だの飲み薬だのと新薬が出てきますが、腎臓そのものを元に戻す薬はありません。
これ以上、腎臓に負担をかけないようにするために、処方食の選択しかありません。
重度の場合には、点滴に通われる方もいらっしゃいます。
30分ほどで終わりますから通院でできます。
水分を飲む以上にオシッコになって出てしまい脱水になります。
点滴は脱水を是正するだけで、透析のように老廃物を体外へ出す役目はありません。
早期に腎不全を発見するには血液検査が必要です。
水を飲む回数が増えたり、オシッコを大量にするようになった、痩せ始めたとか・・・。
食事の量が減らないために病状に気が付かないことが多いです。
腎不全と診断が下れば腎疾患用の処方食のみで生活します。
この食事を食べなければ腎不全は進行します。
腎不全の薬というのは「腎性高血圧」を是正するための降圧剤です。
ネコ用にも発売されていますが、根本的に腎不全を治す薬ではありません。
もともとネコは肉食動物です。生肉を食べていたのです。
肉は動物の筋肉ですから60%以上が水分です。
野生の肉食だった頃には飲水の必要はなかったのでしょう。
カリカリのペレット状のドライフードでは水分補給しないと生きていけません。
ネコの慢性腎不全は不治の病です。
しかし、急性腎不全は処置が早ければ完治が望める病です。
水をガブガブ飲む病気で甲状腺の機能が亢進する病気です。
症状は腎臓病とよく似ていますが、食欲も増しますが痩せてきます。
血液検査でわかります。
健康診断という名目で甲状腺機能を測る病院もありますが、無意味です。
何故なら、症状のないうちに薬を始めるのは疑問だからです。
甲状腺機能は2種類のホルモンを測定しますが、病院での簡易検査ではできません。
病気が確定したら、甲状腺ホルモンを止める薬を続けます。
この薬で突然食欲がなくなることがあります。
そのため、薬を始めないで、そのままで様子を見ることもあります。
処方食もありますが、薬ほどの効果は期待できません。
屋内飼育が普通になってきてから、誤飲が急激に増えました。
誤飲するものは「ひも」が圧倒的に多いです。
ネコの舌の表面にはが内側に向かってギザギザがあります。
ひもを飲み込むと吐き出すことなく、全部飲み込んでしまいます。
プラスティックの玩具も危険です。
食欲があるのに、食後に必ず嘔吐して、ウンチが出なくなります。
金属や石以外のものはレントゲンには映りませんから、症状が改善しないなら、試験的な開腹手術になります。
過去に、手術で胃や腸から取り出したもの、
ハムに巻かれたゴム紐・針のついた糸・プラスティックの玩具や袋・押しピン・テープ・・・。
手で遊んでいるうちに、口に入り飲み込んでしまい、それが快感になって癖になります。
これも、室内飼いを選択した人間のエゴからくるものです。
最近、増えているのがネコの糖尿病です。
水をよく飲むネコに腎不全や甲状腺機能亢進症があると書きましたが、糖尿病も喉が渇く病気です。
飲水の異常に気づかずに、なんだか元気がないので血液検査で高血糖が見つかることもよくあります。
ネコはストレスに弱く、ちょっと興奮すれば、簡単に血糖値が上がります。
血液検査の採血のストレスでも血糖値が上がります。
そのため、何度も血液検査を勧める病院があります。
無意味な血液検査は断りましょう。
本当の糖尿病の血糖値は機械で測れないほどの高値です。
インシュリン注射を始める病院が多いのです。
しかし、お家ではネコは人間のように血糖値を簡単に測定できません。
血糖値を測定しないで連日のインシュリン注射で、低血糖でフラフラになって死を迎えることもありえます。
インシュリン注射がはたしてネコにとって最良の治療方法かどうかは疑問です。
ネコは便秘しやすい動物です。
特に冬場は水分不足で便秘します。
交通事故による骨盤骨折でウンチの出口が狭くなっても便秘します。
便秘を放っていると便が渋滞して結腸が肥大します。
「巨大結腸症」という病気です。
肥大した結腸の中で便が大きくなって完全に停止します。
こうなったら浣腸しか方法はありません。
浣腸するだけならレントゲン・血液検査・点滴・入院の必要はありません。
飼主様に便秘の現状を知っていただくためにレントゲンを撮ることはあります。
結腸を外から手で握ってみれば便秘はすぐに診断できます。
浣腸は1時間もあれば済んで帰れます。
骨盤骨折がない限り便秘予防の処方食や薬で改善します。
「猫が下痢をしている。」と来院した方がおられました。
腹部を触診すると、大きな固いウンチが触りました。
停滞した大きな固い便の周りを伝わって水様便が出ていたのです。
便秘のためのは「消化器サポート」というもので「可溶性繊維」と書かれています。
ただの「消化器サポート」は下痢する子のための食事で間違って与えると便秘が酷くなります。
店頭で買われるときには十分に注意してください。
巨大結腸症になると、浣腸を繰り返すことになります。
薬や処方食でも改善しない場合には、手術で結腸を切り取ります。
切った腸と腸をつなぐ手術です。(腸・腸吻合術)
時間のかかる手術で入院治療になります。
当院では3日くらいの入院ですみます。
切断した腸の断面と断面とを縫い合わせる手術で時間もかかります。
ですが、手術後はみんな快適に便が出るようになります。
便秘のための処方食も薬も不要になります。
この子の大腸はウンチで満杯です。下痢をしているということで来院されました。ウンチの脇から下痢便が通過していたようです。これほど大きなウンチはもうお尻から出ることは難しいです。便を出そうと腸が動けば破裂します。身体は危険を察して大腸の動きを停止させます。
ネコが下痢をすることがあります。
ほとんどは抗生物質で治ります。
お尻を舐めたり手を舐めたりするネコ。
細菌性の腸炎がほとんどでしょう。
子ネコの下痢はなかなか大変です。
その原因が多いのです。
寄生虫感染・細菌性・ウイルス性・食べすぎ(消化不良)からストレスまであります。
寄生虫も線虫やサナダムシからコクシジウムやアメーバ赤痢まであります。
なかなか診断がつかずに、試した薬が効けばその時が診断が確定できるときだったりします。
なんとも、おかしな話ですが・・・。
抗生物質で下痢が酷くなることもあります。
腸内細菌叢が出来上がっていない子ネコは下痢しやすいのです。
原因が特定できずに処方食(消化器サポート)で完治する子もいます。
死に至る緊急性のない症状にもかかわらず、頭を悩ませることになります。
経過観察しながら薬やサプリをかえていくような獣医師泣かせの疾患です。
子猫の時に検便で寄生虫感染に気が付くことが多いです。
お尻や口から回虫が出てきてびっくりすることもあります。
回虫や鉤虫はよくある寄生虫です。
糞便中の卵が口から入って感染します。
中には、サナダムシがお尻から出てきたり、検便でわかったりします。
普通のサナダムシ(瓜実条虫)はノミが媒介します。
マンソン裂頭条虫というのは、外でへびやカエルを食べて感染します。
酷い下痢や嘔吐をすることもあります。
サナダムシはともかく、回虫くらいは腸に住んでいてもいいのではないでしょうか。
人間でも回虫や蟯虫を駆除してしまってから、アトピーや喘息などのアレルギー疾患が急増しました。
腸内の寄生虫が適度に免疫細胞を賦活してくれているのでは?
キレイすぎる環境とキレイすぎる身体が新しい慢性疾患を生み出しています。
外から帰ったネコや犬の手を洗うなどという間違ったことをしていませんか?
一時期、ネコのフィラリア予防が叫ばれたことがありました。
ネコにもフィラリアが寄生することがあります。
しかし、イヌのようにフィラリアの血液検査ができません。
検査せずに薬を飲ませることは危険です。
子ネコに多いです。
最初は5ミリ位の小さな脱毛から始まります。
手足や顔から始まることが多いようです。
丸い脱毛が全身に広がります。
感染力が強く,兄弟全てに感染します。
母親ネコは免疫があって無症状のことが多いです。
経口薬の抗真菌剤を続けると治ります。
シャンプーで全身に広がります。
成長とともに免疫力がついてくると治ります。
人にも感染します。
ネコと同じく子供たちに感染しやすいようです。
脱毛部は丸く赤くて火山のクレーターのように窪んで痒みがあります。
職業柄、私たちも感染の経験があります。
人では軟膏で治します。
ネコの皮膚に寄生する疥癬虫が原因で脱毛と激しい痒みの皮膚炎です。
ネコの額から頭の脱毛と皮膚炎から始まります。
放っておくと背中まで広がります。
顕微鏡で疥癬虫を確認しますが見るだけで診断がつきます。
皮膚の中に住み着く虫で駆虫薬の注射が即効します。
疥癬虫の卵には効かないので10日後にもいう一度注射します。
痒みで皮膚を掻いた時にポロポロ落ちるので他のネコにも感染します。
一緒に寝ているとヒトにも感染することがあります。
外飼いのネコにタヌキから感染することもあります。
ノラネコには注射ができないので経口の駆虫薬で駆除します。
ネコの耳に寄生する疥癬です。
子ネコのうちの治療するので大人のネコにはあまりいません。
子ネコの時にちゃんと駆除しておかないと大人になっても耳の中の寄生していることもあります。
耳垢と一緒にキレイに耳掃除をします。
注射薬は子ネコには使えないので何度も耳掃除をします。
子ネコが耳を掻いている時には耳の中を覗いてみてください。
砂のような黒い耳垢があればミミ疥癬です。
ネコはノミが寄生しやすいです。
最初はノミの糞で気がつきます。
飲みの糞は1ミリくらいの真っ黒いコンマ状のものです。
白い紙の上で水を1滴垂らすと赤く広がります。
ノミの糞は血液の塊ですから水に溶けて赤く広がります。
ノミが寄生するとノミが噛んだ後が背中のあちこちにあるのがわかります。
背中のお尻に近いところに多く噛んだ後があります。
不思議なことにお腹を噛むことはありません。
ノミアレルギーの子は1匹のノミ寄生でも全身を痒がります。
また、唇が赤く腫れることもあります。
ノミは瓜実条虫というサナダムシを媒介します。
背中に垂らすだけのスポットオン式の駆虫薬があります。
外に居ればネコも蚊に刺されます。
黒いネコの耳は蚊が好んで刺すようです。
だからと言って、ネコのフィラリア予防を考えるほどではありません。
蚊は黒い色を好むようです。
耳の白いネコは日光で耳たぶに潰瘍ができます。
光線過敏症というもの。
耳たぶの端がだんだんと切れてなくなっていきます。
その潰瘍が出血を繰り返し癌化することもあります。
解決策はあまりありません。
室内飼いでも発病します。
ネコの心臓の筋肉が肥大化してしまう心筋症。
突然死で推測するしか方法がない疾患。
息苦しく口呼吸で「ギャーギャー」泣きながら来院される。
ほとんどのネコが外から帰ってきた時にはこの状態。
飼主さんは交通事故だと思う。
レントゲンを撮っても骨折もない。
後ろの両足が麻痺していれば、この疾患に間違いないと思われます。
この両足を触ってみて冷たく脈が触れないのが診断基準。
心筋症で起きる不整脈や細動で出来た血栓が腹部大動脈に詰まってしまいます。
そこから先は血が通わないから冷たい。
血栓が肺に到達すれば呼吸も困難になる。
後肢の麻痺もなく息苦しくて七転八倒するネコもいます。
確定診断が難しい疾患。
七転八倒するネコのレントゲン撮影もままならない。
体重の重い男の子がかかりやすいようです。
心筋症にはタウリンがいいと言われる。
キャットフードにはタウリンが添加されている。
タウリンは魚介類に多い。
ネコが魚を食べるのがいいのだろうか?
昔から、ネコはネズミを食べていた。
そう、ネズミの身体にはタウリンが豊富。
ネコにも喘息があります。
頻発する疾患ではありませんが、喘息は苦しいものです。
私も喘息の持病がありますが、薬で治る病気ではありません。
ネコの喘息による咳は特徴的です。
ネコが首を前に伸ばしてする咳は私たちが経験する咳には見えません。
人でもそうですが、喘息の発作は一過性のものです。
ネコが額や頭部に傷ができた時はできるだけ早く治療すべきです。
頭部の傷は治りにくいです。
頭には筋肉がなく、頭がい骨と皮膚の間に膿が溜まります。
頭蓋骨と皮膚の間に空間ができて、そこに膿が溜まります。
抗生物質も骨を伝わっていきませんから、薬が効きにくいのです。
お腹や身体の下部では重力の法則で膿が自然と下へ落ちます。
頭部は身体の上に膿瘍の口があって膿が落ちません。
つまり、膿いつまでも出続けます。
消毒をして膿が出るように管を入れますが、重力で膿はうまく出ません。
包帯を傷に当てて入院します。
入院するほどの重症ではないのですが、膿が始まるとまた通院が始まります。
頻回の通院をさけるために入院します。
過去の事例では1週間の入院が必要なこともあります。
ネコは魚とどこで出会った?
ネコの食べ物で一番先に思い浮かべるのが魚です。
ネコにとって魚はとっても美味しい食べ物???
陸上で生活するネコがいつどこで魚に出会ったのでしょうか?
水を嫌うネコが魚を獲って食べることが本当にあるのでしょうか?
ネコは肉食動物で魚も食べるでしょう。
肉食動物であるネコは肉だけ食べていれば栄養は万全のはずです。
魚がなくてもいい?
それでは、魚を食べないとネコは死んでしまうのでしょうか?
水の中の魚を獲るよりもネズミや小鳥などの小動物を獲って食べる方が容易なはずです。
美味しい?
魚にはマグネシウムが多く尿路結石になり易いのです。
好んで食べるからいいのだとは思えません。
もちろん、外暮らしの雄ネコはマーキングで結晶を外に出します。
麻薬?
人は甘いものを好んで食べます。
でも、甘いものを食べなくても死なないし、糖分は必須栄養素ではありません。
美味しすぎて食べすぎてしまいます。
結果、どうなるでしょうか?
本当の食べ物
ネコが魚を食べすぎると結果は同じです。
魚味のドライフードには炭水化物も入っています。
肉食動物に炭水化物は必須栄養素ではありません。
ペレットのつなぎに使われているのです。
魚味のペレットフードが完璧なネコの食事だとは思わない方がいいのかもしれません。
人は炭水化物なしでも生きられます。
炭水化物は麻薬のようなもので、食べれば食べるほどやめられなくなります。
外食産業はそれで成り立っています。
魚味に親しんだネコはチキン味を美味しいとは思いません。
すでに魚中毒になっているのかもしれません。
その一方で、我が家のネコたちは安価な魚味のドライフードが好きで病気もせずに20歳まで生きました。
猫には魚は無用だと書きましたが、ネコに必須の栄養素として「タウリン」があります。
タウリンが欠乏すると、心筋症になったりします。
タウリンは魚介類を食べると不足しません。
鶏肉だけでは栄養素が足りないので、チキン味のキャットフードにはタウリンが添加されています。
ネズミの体内にはタウリンが豊富で、ネコがネズミを捕って食べるのは不足するタウリンを補うためかもしれません。
ネコは日向ぼっこが大好きです。
気持ちよく日向で眠っている子はなんと可愛いことでしょう。
この「日向ぼっこ」がネコにとって不可欠な行動だとしたら・・・。
人は身体の一部でも日光に当たると皮膚でビタミンDが合成されます。
一日にたった15分間でもビタミンD必用量が足ります。
ネコではどうでしょうか?
ネコは被毛で覆われていますから、皮膚に日光が届くのが限られます。
皮脂腺からビタミンDが被毛にあがってきて毛づくろいで口から入ります。
日光浴がネコにとって必須です。
室内飼いでは日光に当たることがなく、窓際での日光浴では無理です。
窓のガラスは紫外線を通しませんからビタミンDの合成は期待できません。
ビタミンDはビタミンであっても、ビタミンの域を超えて「ホルモン」だとする意見もあります。
それくらい必要なビタミンが不足する「室内飼い」はネコにとって不幸です。
外での暮らしは喧嘩や交通事故などの不幸な結果を招きます。
せめて、家の出入りを自由にすることで解消するかもしれません。
キャットフードでビタミンDは補給されているから大丈夫とはかぎりません。
ホルモンと言われるくらいのビタミンですから、過剰症よりも欠乏症が問題です。
ドライフードのキャットフードが世に出てからまだ30年あまりでしょうか。
その頃はまだネコ缶もタイで作られたものしかありませんでした。
入院したネコに飼い主さんがアジの開きを持参されたことを懐かしく思い出します。
ドライフードのキャットフードは腐らず長期の保存ができます。
ネコの容器に入れるときに手を汚さずに済みます。
それが普及した大きな理由です。
「これは獣医師が考案した最良の食餌」だと謳い文句。
しかし、本当でしょうか?
確かに、栄養的には必要な栄養素が含まれています。
その炭水化物の割合が高すぎると思いませんか?
ネコは肉食動物のはず?
ペレットフードのカラクリです。
つまり、粉状のものを固めるには「つなぎ」が必要です。
パンのグルテンみたいな物です。
炭水化物がそれです。
「キャットフード以外をあげてはいけません。」と叱る獣医がいると聞きます。
人間だって、必要な栄養素を全て網羅した人用のペレットフードがあれば生きていけます。
ペレットフードを常備すれば災害時にも安心です。
兵隊さんだって、ペレットフードと水さえあれば地球上のどこでも戦えます。
なぜ重い米や缶詰を運んでいくのでしょうか?
しかし、私たちの飼いネコで、安物のキャットフードしか食べない子がいました。
その子は20歳まで生きたのです。
不思議ですね。
あなたは、自分の子供に「三食、コーンフレークだけを食べなさい。」と指導しますか?
謎ですね?
室内飼いのネコが観葉植物を食べることがあります。
観葉植物はネコにとって毒になることが少なくありません。
当院では「カーネーション中毒」に遭遇しています。
カーネーションの葉を食べると嘔吐と食欲廃絶します。